最新CD『ありのままに』を早速聴いてみました。自分が好きだった曲も入っており感動しました。私は歌詞がとても気になるタイプなので、歌詞を見ながら曲を聴きました。ただ聴いていたときには気付かない発見がたくさんありました。それぞれの曲の感想を書いてみたいと思います。
①「みんな輝くとき」
・陽だまり保育園の子どもたちの歌声が入っていてとてもかわいかったです。宮沢さんが書いているように、子どもたちの明るさと元気さが溢れていて心がうきうきする歌でした。歌詞では「こころの中に、輝く宝持っているんだ」が一番心に残りました。「涙をそっとこらえたとき ほら みんな キラキラしてるんだ」の詞は、相田みつをさんの書「いのちの根」を連想しました。子どもたちの心の中にある宝をずっと持ち続けられる世の中であることを心から願います。
②「ひとりのねがい みんなの願い」
・月刊誌「みんなの願い」を何年間か定期購読していた時期があります。障害者の権利を守り、発達を保障するための活動には共感することも多く、障害児教育に携わる者としてたくさんの刺激をもらいました。「あなたの願いはわたしの願い 抱き締めたならば話さないで 一人の願いはみんなの願い」人間を信じたいと思う歌でした。
③「桜」
・桜というタイトルの歌は世の中にたくさんありますが、桜の咲く頃の季節感は、人に希望を抱かせてくれますね。宮沢さんの歌には、その春の景色の中で車椅子を押している姿が出てきます。そして、たぶん嫁ぐことのない娘のことを思う親の思いが込められています。宮沢さんの真骨頂が表れている歌ですね。障害があるがゆえに結婚したくても出来ないという現実があります。親にとってもそんな息子や娘のことを思うといたたまれない思いにかられることだと思います。障害のある子を持つ親へのエールを感じました。
④「おじいさん」
・この歌はとてもインパクトのある歌で、コンサートでもとても印象に残っていました。この歌の語りの部分が胸に深く響きました。宮沢さんが言うようにこの歌の世界は、宮沢さんの真骨頂なのだと思います。ふだん顧みない世界が、急に身近で自分の世界だと気付くことがあります。話したこともないおじいさんに無性に会いたくなるこの青年の気持ちが痛いほど伝わってきます。
仏教には「常不軽菩薩(じょうふきょうぼさつ)」という菩薩が登場します。周りにどんなに迫害され馬鹿にされても、相手のことを敬いひたすら相手を拝むという修行をして「あなたは仏になれるのです」と説いて回るのです。この常不軽菩薩こそ仏陀の前世の姿だそうです。
誰にも挨拶して回るおじいさんこそ仏陀の姿なのかもしれないのです。すべての人から学ぶという姿勢こそ私たちには必要なのかもしれません。
我々は人に対して傲慢になってはいけないと気付かされました。私がこのCDの中で一番好きな歌です。
⑤「しあわせな童話」
・この歌を聴いたときに何故か金子みすずを思い出しました。「私と小鳥と鈴と」や「こだまでしょうか」「大漁」などの詩が有名ですが、若くして亡くなったこの若い詩人の感性になんど涙を流したことでしょう。セピア色したアルバムの中に時代を超えた真実が隠されている気がします。
⑥「一歩」
・お母さんのことは、いのちの歌の中で何度か書かれていますが、母への思いは、幾つになっても心の中に残るものなんですね。宮沢さんの歌を聴いた後に感想を聞くと「ニコッ」と微笑むその姿に生涯にわたっての一番の応援団だと知るのですね。
「まるで人生の哀しみの全てから解き放たれたように とびきりの笑顔で笑うあなたは ぼくが誰かをわかっていない」という詞が心に残りました。
⑦「平和の祈り」
・三線の音色がまず心地良く響きました。NHKの朝ドラの「マッサン」の中で青年の一馬が戦争にいって亡くなって家族が悲しむ場面が何回が放映されました。それを見る度に戦争の悲惨さと二度と戦争はやってはいけないという思いにかられました。沖縄戦の悲惨さは、映画やドラマで何回も観ました。戦争を知らない若い人たちに戦争の真実を伝えていくことが我々大人の義務だと思います。宮沢さんがその活動を続けていることに感銘を受けるとともに敬服しています。平和は努力し続けることでしか守れないものなんですから。
⑧「アトムの涙」
・林修先生の番組で「手塚治虫」のことを取り上げていました。この偉大な漫画家の残した作品と影響力は、すごいと誰もが認めています。
宮沢さんのあだ名が「アトム」だったとのことですが、まさにパワフルで心優しいアトムとそっくりだと思います。最近、昭和のことがよく取り上げられています。私たちの生きた時代は、まさに昭和であの時代に少年時代や青年時代を過ごした私たちにとって、昭和は輝いていたと思います。昔を振り返るのが多くなり懐かしく感じるのは、自分が歳を取った証拠でしょうか。
⑨「想い」
・この歌の詞も宮沢さんの真骨頂が表れていると思いました。冒頭に「人にはやさしさとか あたたかさとかの 言葉だけでは語り尽くせない もっと強く もっと深く「人を想う」というこころがあります」
まさに宮沢さんの世界が歌詞になったと思いました。「春よ来い」まさに今の季節にぴったりの歌詞です。東日本大震災から4年目を迎えたということで、その日一日その特集の番組をやっていましたが、どんなに苦しくて辛くても春が再び訪れることを信じて生きたいですね。
⑩「明日へ」
・実はこの歌が大好きで、北綱にいたときに放課後サンルームに行って毎日この歌をギターを弾きながら練習していた時期がありました。宮沢さんの初期の頃の歌だと思いますが、この頃から宮沢さんの感性が詞になっていたんですね。「あかねに 染まる海を」「孤独という名の海を」「誰もが みな 心に 哀しみを 重ねていく」「ひとり 明日へ 明日へ」それら一つ一つの言葉が胸にしみて 無我夢中で大きな声で歌っていました。アンコールでこの歌をリクエストしたことがありました。最初からこの歌に魅せられていました。久しぶりにギターを弾きながらこの歌を歌ってみたくなりました。
⑪「ありのままに」
・あのヒットした映画よりも以前にこの歌を作っていたことに宮沢さんの言葉に対するセンスを感じました。秋田支部のコンサートで生まれたとのことですが、今年も妻と秋田のコンサートに追っかけていきます。秋田支部のみなさんと会えることを楽しみにしています。「あなたらしく いついつまでも」私も自分らしく生きても良いのだと背中を押してもらいました。
今回は、一曲ずつ聴きながら感想や思ったことを書かせていただきました。宮沢さんの歌の世界に一貫性があることを感じました。人の優しさや人を想う心など、ずっと大切にしてきたテーマがどの歌にも込められていました。
秋田のコンサートや成増でのコンサート今から楽しみにしています。 |