INDEXヘ  メッセージのトップへ
 

母はもう 70年近くを連れ添ってきた父のことがわからない
そして 先日の母の誕生日に こうして 花束を渡した父も
今日はもう その日のことを忘れてしまっている

8人も9人もいた父と母のそれぞれの姉弟たちは とおの昔に
そして友人や 知人たちの多くも 櫛の歯が欠けるようにいなくなってしまった

90歳を迎えた母と 92歳を超える父がこうして今 社会の片隅で
それでもひっそりと生きていることを知る人は もう 数えるほどしかいない
老いると言うことは そんな現実の中に「在る」ということなのかも知れない・・・

実は ぼくが フェイスブックやSNSを始めたのには大きな理由がありました
検索したところで およそヒットなどするはずもない父や 母が・・・
それでも確かに 自分の生を全うしていることを
ささやかで とてつもなくひっそりとだけれど
それでも壮絶に 生を全うしているのだと言うことを 一人でも多くの人に知らせたかったから

だから・・・病床で90歳を迎えた母のことを
このホームページでで伝えた先日のメッセージが
多くの人たちの目に留まってくれたとしたなら どんなに嬉しいでしょう

2014年 10月30日 宮沢勝之