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ぼくは今 老いた母と向き合っています
必死でそのいのちを生き抜こうとする 母と向き合っています
食べることも 歩くことはおろか
支えがなければ 立つことさえ難しくなってきた母は
とうに息子のぼくが誰かを忘れてしまっています
それでも ぼくが「ヨイショッ!! ヨイショッ!! 」って声をかけると
「ヨイショッ!! ヨイショッ!! 」って くり返しては
前に一歩を踏みだそうとします
でも 結果は1センチたりとも進んでくれていません

だけど…
母は生き抜くことをあきらめてなんかいません
目もつぶったままに 「ヨイショッ!! ヨイショッ!! 」って
一歩を踏み出すため 何度も自分に声をかけるのです

これは ぼくのたたかいでもあります
生き抜こうとする母を支え抜くこと 
それは
いのちの尊さをうたい続けてきたぼく自身が
そのことを こころの底から肯定するための
たたかいなのだと そう思っています

だからこそ・・・そんなふうに
必死に生きようとするいのちたちを
夢見ていたい いのちを
輝こうとするいのちたちの
その全部をないがしろにして
生き抜くことさえ奪い去ろうとする
「集団的自衛権の行使容認」も
平和憲法を砕き散らす解釈改憲にも
ぼくは体中の力を振り絞って抗議します

そして同時に 決意しています
今までにも増して 自らを奮い立たせ いのちの尊さと 輝きをうたい続けよう!!  と

たとえそれが とるに足らない ささやかなことであったとしても・・・

宮沢勝之


2014.07.03. 宮沢勝之