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誰もがしあわせでありますように…
あたりまえな 平和へのいのりを込めて この八月を迎える…

来る8月6日
広島で開かれる平和祈念式典に 
米国大使が初めて出席することを表明した
被爆から65年も経って初めて と言うことに複雑な思いも残るが
ヒロシマ・ナガサキを遠ざけてきたアメリカ政府に確かな変化が表れたのだと そう信じたい
そしてそのことが
オバマ大統領がプラハで演説した 核なき世界への 
小さくとも確実な一歩であってくれたら… と願って止まない

今年の父の日
贈った 気持ちばかりのプレゼントが届いたと 父からの電話を受けた
その電話の向こうで父が泣いていた
「自分は 自分の父親に何もしてやれなかった」と
そう言って泣いた
 あの いまわしい戦争に 青春を奪われた父
その父が生きて帰ってくることを誰よりも待ちわびていたのが祖父だった 
しかしその願いは叶わなかった…  いのちからがら父が日本へたどり着いたときには
祖父は戦地へ赴いた息子との再会を待ち続け 待ち続けながら亡くなっていた
タバコ好きだった祖父へ 父がたった一つ持ち帰ったお土産は
終戦後1年以上も捕虜として敵国だった国で過酷な重労働を強いられた中で得た たった数本のタバコだった
胸のポケットにしまいこんだ 大切な大切な数本のタバコ… ぺしゃんこのタバコ…
しかし 父はそれすらも祖父に吸わせてあげることが出来なかった

65年の歳月を経ても その哀しみと悔しさが癒えることなど決してない 父のその無念さを思う
この八月に あらためてその無念さを思う

2010年8月1日   宮沢勝之